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負ける練習

  • 執筆者の写真: taketomi
    taketomi
  • 1月13日
  • 読了時間: 5分

『受け身 ~負ける練習~』相田みつを

「柔道の基本は受身

受身とは投げ飛ばされる練習  人の前で叩きつけられる練習

人の前でころぶ練習  人の前で負ける練習です。  

つまり、人の前で失敗をしたり、恥をさらす練習です。

自分のカッコの悪さを 多くの人の前で、ぶざまにさらけ出す練習それが受身です。

 

柔道の基本では カッコよく勝つことを教えない

素直にころぶことを教える  いさぎよく負けることを教える

長い人生には カッコよく勝つことよりも

ぶざまに負けたり

だらしなく恥をさらすことのほうが はるかに多いからです。


だから柔道では 初めに負け方を教える

しかも、本腰を入れて 負けることを教える  

その代わり ころんでもすぐ起き上がる 

負けてもすぐ立ち直る

それが受身の極意

極意が身につけば達人だ  


若者よ  失敗を気にするな

負けるときにはさらりと負けるがいい

口惜しいときには「こんちくしょう!!」と、正直に叫ぶがいい 

弁解なんか一切するな

泣きたいときには 思いきり泣くがいい

やせ我慢などすることはない  


そのかわりスカッーと泣いて ケロリと止めるんだ

早くから勝つことを覚えるな

負けることをうんと学べ 

恥をさらすことにうまくなれ

そして下積みや下働きの苦しみをたっぷり体験することだ

体験したものは身につく

身についたものー それはほんものだ  

若者よ  頭と体のやわらかいうちに  受身をうんと習っておけ

受身さえ身につけておけば何回失敗してもすぐに立ち直ることができるから……  


そして負け方や受身の ほんとうに身についた人間が

世の中の悲しみや苦しみに耐えて

ひと(他人)の胸の痛みを 

心の底から理解できるやさしく暖かい人間になれるんです

そういう悲しみに耐えた 

暖かいこころの人間のことを観音さま、仏さま、と呼ぶんです。」

~出典:「本気」相田みつを著~

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昔、私の小学生の頃、テストの成績が悪く「死んでやるー!」と泣き叫んでいる同級生がいた。

それは強く印象に残っている。


私は勉強を好きになったのが二十歳くらいの時で、いつもできていたわけじゃない。

高校生の頃は模試の成績が全く上がらず、大学には行けないかもしれないと常に焦りと無力感で勉強していた。

しかし、今思えばその感情は全く何の意味もない事だったんだと思っている。

それよりも、自分の高校生活を充分に使って、一生懸命勉強していたことが何よりもその後の励みになったと思うし、成績が上がらずに「悔しい!まだまだ自分ならできるはずだ!」と自分に鼓舞できたことは、人としての何かしらの能力が養われた気がする。


今、子ども達に勉強を教えていて感じること。それは

『キミたちは本当に打たれ弱い!』


これは「今どきの子は…」とかではないと思う。

いやむしろ、子どもとは本来そうなのかなとも思ってしまう。


しかし、私は心から思うのである。

『本当にそれでいいのか?子供は弱いものだからと、いつまでも大人が手を加えてやるのが本当の優しさなのか?子どもには強く逞しく生きてほしいと大人は皆思うものではないのか?それを全うできずに何が「先生」なのだろうか」

と。



この前、「テストの点数が悪かったからもう自分は○○高校には行けない」と絶望を抱いている子がいた。


私はそういう時に「大丈夫!頑張ればきっと合格できるよ!」なんて言葉はかけないんですよね。


熱意をもって心に語り掛けたい。

「別に第一志望校に落ちてもいいんだよ?

第一志望校に落ちて滑り止めの高校に行ったとしても、

そこで一生の友達ができることもあるし、

ここに来てよかったと思える楽しいこともある。

逆に、

第一志望校に受かったからっていじめられないって保証はない。

勉強についていけなくて不登校になる子もたくさんいる。

高校名で就職や結婚相手や人生なんて決まらない。

結局、どこで誰と何をしていても、

「幸せだ」と感じるのは自分次第なんだよ。

なぜそんなに高校名にこだわるの?

本当に行きたいと思うなら、こだわるなら、

先生や親や友達の様な

『他人』に何か言われたからってあきらめちゃダメだよ。

失敗してもいいし、負けてもいいから、

終わりまでがむしゃらに一生懸命やりきらなきゃ!」



人を採用するとき、育てるとき、とても感じる。

「親に大事に大事に育てられた者ほど、弱い。」

「弱い」とは例えば、

わからないことがあった場合、自分で考えようとしない。

何かトラブルがあった時、なんとかしようとしない。

親・先生・上司・先輩・お客さんに怒られたくないから都合の良いことしかしない。

そういったことも含まれる。


戦時中、父がおらず、母も忙しく、上の兄姉たちにしごかれて育ったうちのばあちゃんは、素手でカメムシやgokiをつぶすほど強い。

(それはちょっと違う意味で強い。)




負けてもいいんだよ。

失敗してもミスしてもいいんだよ。

次こそは!次こそは!といつまでもその時その時も一生懸命に生きていればきっとその分の成果は出るんだよ。



「それを大人がつぶしてしまっている…」

私の恩師がおっしゃっていました。

大人も一人ひとり「自分の事」に一生懸命にならないといけない。。。

そして、子どもの前で失敗し、スクッと立ち上がる姿を見せないと。





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